reportレポート

令和8年2月24日、とちぎ福祉プラザ(宇都宮市)において、青年経営者会合同による「令和7年度 第5回社会福祉法人経営者研修会」を開催しました。
講師には、1月の視察研修で訪問させていただいた宮城県の社会福祉法人ライフの学校 理事長の田中伸弥氏をお招きし、同法人の取り組みや理念、DX推進についてご講演いただきました。
前半では、地域に開かれた施設づくりと公益的な取り組みについてお話しいただきました。施設と地域を隔てる壁(生垣)を取り払い、誰もが集える「庭」や駄菓子屋を設置することで、地域との自然な交流を生み出していました。
また、無料学習支援教室の開催など、地域ニーズに応える公益的な取り組みを通じて、施設が地域の「中間集団」としての役割を果たしているとのことでした。さらに、縦割りの制度にとらわれず、目の前の利用者の暮らしを継続するために、事業を横断した柔軟なケア(共生型サービス六郷キャンパスなど)を実践されています。
後半では、看取りの文化と、理念を実現するためのDXについて伺いました。「看取り」を施設内に閉ざさず、利用者の歩んできた人生や物語(ライフストーリー)を共有し、スタッフや地域とのつながりの中で最期を迎えることを大切にされているとお話されていました。
その上で、ICTやDXは単なる業務効率化の手段ではなく、法人の思想や理念を体現し、「人が中心のケア」に注力するための基盤であると強調されていました。具体的には、「ケアコラボ」を用いたリアルタイムな記録共有により、多職種連携だけでなく、ご家族もケアのチームに加わるような安心感と関係性を構築されています。また、「Google Workspace」や動画マニュアル(Teachme Biz)を活用して業務の属人化を防ぎ、外国人スタッフや就労支援のパートナーを含めた多様な人材が活躍できる仕組みを整えられている点が非常に印象的でした。
質疑応答では、「なぜ大赤字の状況から法人を引き受けたのか」という質問に対し、ご自身の原体験に基づく強い使命感をお話しいただきました。
また、現場職員のモチベーション維持や若手の育成において、「失敗できる環境づくり」が重要であるというお話もされており、人材育成の観点でも非常に参考になったという感想の声がありました。
特に、ICTツールの導入目的が「請求のため」ではなく、「理念の実現と人との関わりのため」であるという言葉にハッとさせられ、大変参考になる研修会でした。


(栃木県青年会)