第1回 「地域づくり まちづくり -私たちを地域にひらく-」

2017.11.1

第1回 「地域づくり まちづくり  -私たちを地域にひらく-」

第1回 「地域づくり まちづくり-私たちを地域にひらく-」

『共に食べることから始まる地域のつながり』

 

 

はじめに

 

 はじめまして。株式会社エヌキューテンゴの齊藤と申します。東京都杉並区で、「まち暮らし不動産」という屋号の小さな不動産会社を経営しています。一人ひとりの部屋探しをお手伝いすることもありますが、新築やリフォームによる企画開発、プロデュース、運営支援が主な仕事です。

 

 このコラムでは、私たちのプロジェクト事例をご紹介しつつ、地域に開き、まちと暮らすことの可能性を(愉快なこと、面倒でスリリングな面白さを含めて)お伝えできればと思います。私たちが事業の過程で学んできた知見も織り交ぜながら、まずは、「それ、悪くないね!」と感じていただけたら嬉しいです。

 

共に食べることから始まる地域のつながり(okatteにしおぎについて)

 

 第1回は、プロジェクトの紹介をしたいと思います。

 

 「okatte(オカッテ)にしおぎ」は、2015年に入居がスタートしたシェア住宅です。個人のオーナーさんがご家族でお住まいだった二世帯住宅の半分を、賃貸事業用にリフォームしました。30〜40代の男女が4つの個室にそれぞれ賃借人として入居し、キッチンや水回りをシェアして使いながら暮らしています。私たちはプロジェクトのコーディネーターとして、オーナーさんと一緒に企画し、設計ディレクション、運営支援、広報などを担っています。

( ※ 以下、画像をクリックすると別ウィンドウで開きます。)

「okatteにしおぎ」外観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 okatteの建物としての特徴は、1階に増築して作った大きなキッチンと板間です。土間になっていて建物正面の道路から直接出入りできるようになっています。こちらは4人の入居者さんがシェアして使うだけでなく、住んでいない人ともシェアして使います。ふらっと立ち寄ってキッチンを使ってご飯を食べてもよし、板の間でゴロゴロするのもよしです。

 

 ただし、誰でも何時でも使ってOKということではなく、一定の約束を守りながら使う有料(月1,000円〜)のメンバー制です。「okatteメンバー」は現在100人程います。近所に住む方から電車で来る方まで、子連れもいれば、単身者もいます。年齢は高校生から70代ぐらい。男女で言えば女性の方が少し多いです。シェア住居の賃貸入居者も、okatteメンバーの一員です。これらがokatteの運営としての特徴です。

 

 メンバーは、okatteで何か“サービスを受けられる”わけではありません。「会費を払うと、okatteを使えて、その運営にも関わることができる」という仕組みになっています。誰か特定の管理者がいるわけではなく、メンバー間で利用の調整をしたり、定例会を開いたりして、メンバーができる限り自主運営(自治)をするのです。まち暮らし不動産は、「メンバーがokatteをよりよく使う」ために、コーディネートをしています。

 

どんなことが起きている?

 

 では、そのokatteでどんなことが起きているのかを見ていただきたいと思います。写真ごとにコメントを入れていますので、あわせてご覧ください。

( ※ 以下、画像をクリックすると別ウィンドウで開きます。)

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 メンバー同士は以前からの知り合いというわけではありませんが、大きなキッチンに集まり、家族を連れてきたり友達を連れてきたりして、「共に食べる」ことをきっかけに、少しずつつながりを作っていきます。自分の興味が他のメンバーと重なったり、知らないことを学びあうことを楽しみつつ、okatteを共に使う仲間となっていくのです。okatteを「地域」や「まち」に開いていくのもメンバーたちです。運営者としての私たちやオーナーさんではありません。次回のコラムでは、もう少し、運営の仕組みについてお伝えできればと思います。

 

「まち」とは?「まちづくり」とは?

 

 第1回の最後に、私たちの屋号「まち暮らし不動産」について書いておきたいと思います。「まち暮らし」という言葉は私たちの造語ですが、2つの思いを込めています。1つ目は、個人の充足(プライベート)を充実させる方向に偏りがちな不動産業界にあって、個人を大事にしながらも「共(コモン)」や「公(パブリック)」を感じながら暮らせるように、という思い。2つ目は、共や公といった「大きなもの」を作ったり維持したりすることに、必ずしも躍起になる必要はなく、自分がまず「暮らす」ことから始めようという思いです。「まちと暮らす、けど、必ずしもまちづくりしなくてもいい」という2つの思いは相反するように思えますが、果たしてどうなんでしょうか。そもそも「まち」とはなんだろう?「まちづくりしなくてもいい(コラムのタイトルなのに!)」ってどういうこと?!については、また次回! 

 

★地域づくり、まちづくりについてのご質問を大募集!

 

 地域づくり、まちづくりに関して、ご質問を受付けます。

 

 地域住民との付き合いかたって?といったお悩みや相談など、どしどしお寄せ下さい。齋藤氏が第2回コラム(1月9日発行予定)の中でお答えいたします。

 

 

宛先

全国社会福祉法人経営青年会 事務局

E-mail:zenkoku-seinen@shakyo.or.jp

FAX:03-3581-7928

 

応募締切:12月11日(月)必着

 

 

 

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齊藤 志野歩(さいとうしのぶ)氏 プロフィール

(株)エヌキューテンゴ CEO

 

 慶応義塾大学総合政策学部卒業後、不動産投資ベンチャーで不動産ファンド運営、住宅開発、商業施設開発等に従事。長男の出産をきっかけに、NPO法人での活動も行いながら、地域とつながりのある暮らしや不動産のあり方を模索。不動産投資会社を退職し、株式会社エヌキューテンゴの代表取締役となる。ひとの暮らしや、その節目の多くに立ち会う不動産業者が、人と物件をマッチングすることだけでなく、人と人、人とまちを結ぶことに、もっと積極的になるべきと考え、他の創業メンバーと共に「まち暮らし不動産」を立ち上げる。

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