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活動紹介
【栃木県青年会】令和7年度 栃木青年経営者会 県内視察研修を実施!
【栃木県青年会】令和7年度 栃木青年経営者会 県内視察研修を実施!

 令和7年8月19日(火)、栃木青年経営者会の県内視察研修として、共生型多機能事業所リエゾンコミュニティラボと特別養護老人ホーム敬愛荘を27名で視察しました。今回の研修では、ICTIoTITの活用による業務効率化と支援の質向上について、先進的な取り組みを学ぶことができました。

 リエゾンコミュニティラボでは、専門職員の不足や、ご家族・利用者への説明が口頭では伝わりにくいという課題に対し、ケアプランソフトを導入していました。アセスメントを数値化することで「できること」や「苦手なこと」が可視化され、説明が分かりやすくなったとのことです。これにより必要な取り組みの共有が進み、関係性の構築にもつながっていることが示されました。

 敬愛荘では、眠りスキャンやペイシェントウォッチャーを活用し、利用者の睡眠状況を可視化していました。リアルタイムでの状況把握や緊急時の早期発見につながるだけでなく、夜間の様子を把握することで日中の支援にも活かされ、職員の負担軽減にもつながっていました。また、勤務作成ソフトの導入によって、従来最大800分を要していた勤務表作成が平均10分で可能となり、大幅な時間削減が実現していることに驚かされました。さらに、勤怠管理システム「タッチオンタイム」を導入することで、出退勤や勤務変更、有給管理が携帯端末で処理でき、数時間を要していた事務作業が数分に短縮されていました。ただし、その効果を十分に発揮するためには、職員のモラルや運用ルールの徹底が不可欠であることも強調されていました。

 さらに、ケアカルテやハナストを活用し、音声入力で記録を行うことで、支援と並行して記録作業を進められる点も有効であると確認されました。記録時間の大幅な削減が期待される一方で、誤認識や入力環境、プライバシー管理などの課題も残されていました。また、ICTIoT機器は停電や通信障害の影響を受けやすいため、紙記録や再入力を含めた非常時マニュアルの整備が不可欠であることも学びました。

 ICTIoTの導入は業務時間の削減や支援の質向上に大きな効果をもたらす一方、リスク対策やルール整備、職員教育が伴わなければ十分に活かしきれないことが明らかになりました。今後は、導入効果を数値として明確に示すとともに、非常時対応の仕組みを整えることで、より安心・安全で効率的な支援体制を構築していく必要があると感じました。今回の視察研修は、自法人でも導入の検討を進めていくうえで大変参考となり、非常に有意義な機会となりました。




(栃木県青年会)

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