第2回 「広報のい・ろ・は」

2017.12.1

第2回 「広報のい・ろ・は」

第2回 「広報のい・ろ・は」

『メディアを知る①』

 

 

◎イントロダクション

 広報・PRを成功させるためには、まず、相手であるマスメディアの特性を知ることからはじまります。

 今回の『メディアを知る①』では、「新聞」「雑誌」について、次回(2月)の『メディアを知る②』では、「テレビ・ラジオ」「WEB」について解説します。

 

1.「新聞」とは

■広報・PRの原点は新聞から

 皆さんは、新聞を購読されていますか?

 先日、某企業の広報研修会でこの質問をしたところ、20名以上の参加者のなかで、手を挙げた人はゼロでした。「新聞(一般紙)」の世帯普及率は、1世帯あたり0.78部(2016年日本新聞協会調べ)まで減少しているとはいえ、この結果は衝撃でした。

 新聞を読まない理由をたずねると、「ネットニュースをチェックしているので」が多くの回答でした。

 ニュースを知りたければ、ネットニュースで充分ですし、費用もかからず、新聞紙を片付けたり、捨てたりする手間もありません。

 しかしながら、新聞のような一覧性のあるメディアに触れることが、「広く」「普く」情報を流通させる役割の広報担当者にとっては大切なことなのです。

 「新聞(一般紙)」をご覧いただくと、約30ページに渡り、世の中の情報が一定のカテゴリーに分類され、各紙方針のもと、記者が「ニュース」と判断した情報が記事として掲載されていることがわかります。

 新聞を一面から流し読みするなかで、自分の興味関心の高い情報だけでなく、自分が気付かなかった世の中のトピックスが数多く存在していることに気づくはずです。この気づきが、広報担当者にとっては重要です。ネットニュースの場合は、自身の興味・関心のあるジャンルを検索する、ないしは、自動的に配信されてくるので、

「不要な情報が入らない」=「気づきの情報に触れにくい」

という状況が生まれます。広報担当者は、あらゆるジャンルのトレンドをキャッチアップし、そのトレンドに発信したい情報をどのようにしてのせるか?を考えなくてはなりません。

 

■新聞社の仕組みと情報提供方法

 新聞社は、前述の紙面カテゴリーごとに記者を配置しています。事件・事故・地域話題を取材するのは社会部、政治は政治部、経済は経済部、文化・芸術は文化部、生活話題は生活・家庭部など。例えば、会員の皆さまの情報に関しては、比較的、社会部や生活・家庭部の記者が扱うことが多いジャンルです。

 地方の会員の皆さまの場合は、5大紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)の支局、ないしは、地元地方紙の社会部担当へ情報提供することをオススメします。たとえどんなに小さな話題でも、「地元話題」であれば、取材・記事化の検討材料になりえます。もちろん、最終的に記事になるか否かは、ニュース性(新規性、地域オリジナル、季節性、心温まる話題など)が必要です。

 加えて、記者との日頃のリレーションもカギになります。リレーション構築の方法は様々ですが、記者は常に情報を欲しているので、どんなに些細な情報でも、「継続的に情報提供する癖をつけること」が大切です。提供の仕方も様々ですが、記者は記事を書く思考回路ですから、

記事要素が整理された情報=プレスリリースの体裁

で提供することが理想です。プレスリリースの書き方等は、後日の回で詳しく解説させていただきますが、一番言いたいことやキャッチーなフレーズをタイトルに据えて、書き出しの第一パラグラフに5W1Hの要素を整理して全容を語ります。

 毎日のように大量に情報を扱う新聞記者が、記事化すべきか即座に判断できるような体裁にすることがとりあげられるコツの一つです。

 

■トレンドや社会課題がカギ

 新聞は幅広い読者を持つメディアであるがゆえに、扱うテーマも様々ですが、記事になりやすい要素はあります。それは、新聞は弱者の味方であるという点です。「女性」「子ども」「動物・ペット」「高齢者」「障がい者」「社会貢献」などは比較的、記事になりやすい傾向にあります。そういう意味では、会員の皆さまの生業そのものは「記事になりやすい土壌である」といえるかもしれません。

 この土壌にどのような種をまき、どのような手入れをすれば芽を出すのか?

 ポイントは、世の中のトレンドや社会課題の解決に繋がる要素を掛け合わせることです。「◎◎のサービスを開始した」だけでは、記事になりません。

例えば・・・

「日本初!◎◎のサービスを開始!」

「その背景には◎◎な問題があり、これらを解決するために◎◎な観点から◎◎を調査・研究し、◎◎の結論に至った」

「そのプロジェクトリーダーは女性の◎◎さん。卒業後、◎◎の施設で◎年、介護の現場を経験し・・・」

のように、背景にある社会問題をフックにしながら、その解決策として開発した日本初のサービスであること、しかも女性の開発であること等をリリースに整理してメディアへアピールします。

 

 

2.「雑誌」とは

■セグメントメディアであり、スポンサー情報が優先

 約700種類(日本雑誌協会加盟誌)もの雑誌が存在します。

 新聞との大きな違いは、「セグメントメディア」であることです。女性誌、男性誌、ファッション誌、グルメ誌、モノ・トレンド誌、ビジネス誌、医療専門誌、介護専門誌などなど、ジャンルや世代を絞って、それらをターゲットとした読者に情報を届けるのが狙いです。この利点として、多くのスポンサーから広告出稿を募ることができる訳です。女性誌の半分以上のページは広告で成り立っています。

 そうすると、編集者・ライターが書きたい純粋な編集記事だけではなく、出広(出し広告)スポンサーが出したい情報を書かざるを得ない状況が生まれます。例えば、大手の複数の化粧品メーカーから広告出稿が約束されると、編集ページでは、「美肌特集」が組まれ、スポンサーの商品が上手に紹介されるケースなどがあります。つまり雑誌は、スポンサー優先メディアであると言えます。

 こうした特性を把握したうえで、広報・PR活動によって純粋な記事にできるか?は広報担当者の腕にかかっています。

 

■ライターさんとのリレーションによって複数メディアでの露出を

ポイント①

 新聞と同様に、世の中のトレンドや社会背景に対して扱ってほしい情報をどのように掛け合わせるか?です。

 アプローチする雑誌のジャンル、読者層、最近の編集記事傾向、シーズンなどを勘案しながら、プレスリリースに整理することが重要です。

 

ポイント②

 編集者よりもライターとのリレーションを図ることです。

 新聞と違って、雑誌社の編集者は記事を書きません。編集部と契約するライターさんが取材・原稿執筆を行っているので、ライターさんへの情報提供が効果的です。一方、編集者は、特集テーマやページ構成を検討・制作する役割ですから、担当編集者へ情報提供することも無駄ではありませんので、両者への情報提供&アプローチが良いでしょう。

 ライターさんとのリレーションを大切すれば、ライターさんは複数の雑誌を掛け持ちで担当している場合が多いので、提供した情報が複数の雑誌で記事化される可能性もあります。

 

 

 

★以下、皆さまから寄せられた広報・PRに関するご質問のなかから皆さまに共通する内容を選定して回答いたします。

 

【ご質問①】

 以前は行政等によるさまざまな規制があったことも影響し、私たち社会福祉法人は広報・PRを巧みに使いこなせる術を持ち合わせていないのが現状です。

 しかし、自身の法人を広報・PRする必要が出てきたこの時代に、まずは何に取り組めばいいのか、広報・PRする術を具体的に教えてください。

 

【回答①】

 広報・PRはとかく、宣伝活動と混同される場合が多いです。

 初回のコラムでも解説させていただきましたが、広報・PRにおいて、メディア、株主、ユーザー(とその家族)、従業員(とその家族)、地域、取引先、所轄庁など、様々なステークホルダーとの間に良好な関係を構築することは、非常に重要です。その関係を土台とした日々のやりとりを通して、共感したメディアによる取材・記事化が実現します。

 ですので、はじめに

広報・PRによって何を達成したいのか?

を設定されてはいかがでしょうか?言葉を換えれば、メディア露出によって、何を得たいのか?です。

 例えば、地域の人たちにもっと施設のことを知ってもらいたい、働き手を増やしたい、従業員の満足度を向上させたい、利用者を増やしたい、利用者やその家族の満足度を向上させたい、などなど。

 「どこに重きを置くべきか?」の大方針を決めたうえで、単年度の事業計画に添いながら月単位で情報発信できそうな広報・PRのネタを検討するのが良いと思います。メディアは季節性も重視しますので、例えば、1月に行われる世の中ごとの催事(お正月、成人式など)に合わせて施設をアピールできそうな取り組みを計画する。ポイントは、メディアがニュースと捉えそうな要素(地域性、新規性、オリジナリティ、心温まる企画、絵映え、社会性など)を加味することです。

 そのうえで、メディアでの告知記事を狙う場合は、1ケ月前にはニュースリリースをメディアへ配信することも、一つのポイントです。

 地域話題に限定する場合は、5大紙の地元支局や地方紙、コミュニティー誌、ラジオ局、絵映えする内容であればNHKも含めて地元地方TV局などもターゲットにする。全国的な話題にできそうな内容であれば、5大紙の本局や在京キー局などにもアプローチするのが良いと思います。

 イベントであれば、開催の2週間前には、メディアに対して取材案内(5W1H)を配信し、当日の取材&事後の記事露出を狙います。

 

 

【ご質問②】

 法人でSNS(フェイスブック等)を活用したいのですが、その目標設定と効果的な活用方法がよくわかりません。

 SNSを効果的に活用するにはどうしたらよいか、教えてください。

 

【回答②】

 SNSは、企業や団体広報でも盛んに行われるようになりました。

 一方で、開示前の情報が従業員のSNSを通じて先に漏れてしまうことや、企業のSNS担当と一般ユーザーとのやりとりに不具合(SNS上での言葉使いや対応が粗雑等)が生じて、そのことをSNSで拡散されてしまう、不良品などがSNSに投稿されて大規模な改修騒動に繋がった、などのトラブルも増えています。

 企業や団体が一般生活者とフラットに繋がるチャネルとしては有効ではありますが、同時にリスクを伴うコミュニケーションツールであると認識しなければなりません。

 そのため、SNSの運用に際し、きめ細かくルールを設定する必要があります。

 SNSを活用した広報・PRで成功するコツを以下のとおり整理しましたので、ご参照ください。

 

◎コンテンツ・ボリューム Twitterの場合、500本を超える記事の蓄積ができてようやく注目される(特定分野で検索したとき、上位に表記される)。
◎更新頻度 1日1回は当たり前の時代。更新しないアカウントには誰も来なくなる。
◎コンテンツ(記事)の中身 役に立つ、得をする、おもしろい、誰かに教えたくなる。

そして、「○○ならでは」の独自性のある情報。

◎個性・パーソナリティの表出 SNSの最大の特性を生かすこと。

発信する対象は「ファン」であるという感覚を持つこと。

その「ファン」から「ファン」を醸成していくツールこそがSNS。

◎頻度高くコミュニケーションを交わす

◎コミュニケーションの場とネタの提供

積極的な双方向コミュニケーションは何よりも大切だが、一歩下がって、ユーザーたちのためにコミュニティーを提供するというスタンスも必要。
◎他のコミュニケーション活動との連動・連携をとる 他の媒体と同様に、SNSも企業のあらゆるコミュニケーション活動の一部ということを常に意識。通常の広報、広告、SP(セールス・プロモーション)活動などとの内容的・タイミング的な連動を考える。

とりわけ、ホームページとの連動は重要。

 

 

 引き続き、気になること、不明なことなど、どしどし質問をお寄せください!

ご質問宛先

全国社会福祉法人経営青年会 事務局

E―mail:zenkoku-seinen@shakyo.or.jp

FAX:03-3581-7928

 

 

 第1回コラムについては、以下よりご覧いただけます。

第1回 [広報のい・ろ・は」

  • Previous

    平成29年度 Mail News №.10

  • Next

    第2回「広報のい・ろ・は」